sight-seeing (2007)

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2007年、2月末から同年4月の初めまで、スウェーデンのボラス(Boras)市にある、オルガーデン(Algarden)というアーティストランスペースにて滞在制作を行った。到着した当初、暖冬の大阪から来た私には、珍しい雪が降っていた。空は「スウェーデンの典型的な冬の色だ」というグレー。滞在中、私のテーマである「視覚」を素材にして、”オルガーデン”でのサイトスペシフィックな作品を制作する事を目標にした。

「旅」の過程であっても、また新しい土地での生活が始まるときでも、「見慣れない風景/モノ」との出会いから始まる。その「見慣れない風景/モノ」は、時間を経て、そこで起こる事象を経て、経験となり私との距離は変化する。それは、初めて出会う人との関係に似ていると思う。私は到着と同時に、持っていたコンパクトデジタルカメラで、目に映るものをすべておさめる作業を始めた。雪の間から顔を出す、芝生、水面、看板、スーパーの陳列棚、食事のテーブル等々。一日、平均150枚撮影する事になった。異邦人の私の視点から見ると、どれも物珍しく忘れたくはない風景。結果的に1000枚以上になった写真を、オルガーデンを訪れる観覧者(私が撮影した場所をよく知っている人々)に「ギフト」として差し出す方法として、一つ一つを紙飛行機にする事を思いついた。

紙飛行機は、アンティークの金型を利用し同じ形をプレス機で、くり抜いて制作した。一つ一つ異なる写真をプリントアウトし、それらがちょうど飛行機の機体のパターンになった。すべての写真から300枚を選び、300機の飛行機ができあがった。

ギャラリーには、それらすべてを天井から糸で吊るし、インスタレーションの作品に仕上げた。タイトルを”sight-seeing”にしたのは、私の「旅」の記録として時間と撮影した場所を共有するという事と、私の視界(”sight”)を鑑賞(”seeing”)してもらうという、二つの意味からである。私の異邦人としての視線と観覧者(地元の人々)からの見慣れた風景への視線が、接する点として作品が成立した。

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